Press Turn

ジャーナリズム論的あるいは私生活的な転回について

12月30日

慰安婦問題

◼︎日韓の慰安婦合意にはアメリカが歓迎の声明。てか、日韓中のバランスの中で大きな絵をかいたのはアメリカでしょ、と。歓迎もなにも全部知ってて当然で、アメリカの了解の下で行われた日韓2国間交渉。もっとも、そこを正面から書いてる社はなくて、安倍と岸田と韓国とのやりとりとかが中心なのが、つまらないところか(むしろ白井聡とかにそういった問題意識がある)。

◼︎朝日の記事は、首相の慰安婦像へのこだわりがメーンに。慰安婦問題のほぼすべてを少女像というシンボリックスピーチに矮小化する安倍の感覚のあまりに射程の短い異常さ。大使館前の像を撤去が10億円の前提だっていうだから、そのこだわりは尋常でない。もっとも、あの合意で韓国側の撤去が前提という風に読めるのかな? だから文書になってないのか?

◼︎そして、どう考えてもこれって変節でしょ、ってところは斎藤美奈子嬢が東京のコラムで指摘している。安保法制でのアメリカでの発言と国会での発言の違い、慰安婦問題の軍関与、政府責任に関するこれまでの姿勢と今回の合意のズレ。タカ派でもなく修正主義者でもないなら、安倍は一体何者なのか?

 

◼︎安倍がこだわっているもう一つ、将来世代にいつまでも謝罪させないと言ってることには、テッサモーリス・スズキが25日の朝日で、後の世代には implication がある、と指摘している。辞書を見れば、implication in crime で共犯。歴史的な共犯関係って感じか。

◼︎韓国にしてみれば、この問題で妥協しても得るだけのものがる、ということか。